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PostHeaderIcon 玄関と照明

最近、日本の伝統的な建築が再評価されています。ただ、単に、伝統的な建築に回帰するのでなく、洋の住まいの中に、和の要素をうまく取り入れたり、融合させたりする「和モダン」が人気を集めています。玄関にしても、この和モダンを取り入れ、シンプルな中に、しっとりとした雰囲気を演出するようになりました。和モダンの要素として、格子、連子、洗い出し、塗り壁(珪藻土、漆喰)などが挙げられます。それらをうまく取り入れることで、洗練された中に、ゆったりと落ち着く空間が広がっていきます。

私の伯父が定年退職後、自分たちの故郷に帰り、夫婦2人が生活していくための住まいを建てました。最初は、日本の伝統的な住まいを新築する予定でしたが、膝が悪い伯母には、畳での生活はきついのではないかと心配しました。住まい全体をバリアフリーにして、椅子で生活することができるように、フローリングの生活を考えましたが、完全に洋の空間というと、味気ない気がしたそうです。そこで、洋の中に、ほっこりと落ち着く「和モダン」を取り入れようと思いました。玄関は、昔懐かしい格子の引き戸を採用しました。

玄関土間は洗い出し仕上げにして、壁は珪藻土で仕上げてもらいました。玄関土間にも玄関ホールにも、1950年代に人気があったデザインで、木の薄い板を立体的に組み合わせて、作家が手作りしたペンダントライトを採用しました。光だけでなく、影も味わい深く、何とも言えない雰囲気になりました。珪藻土の壁は、表面に凹凸がありますから、壁にも表情が生まれてきます。そんなに広い家ではありませんが、自分たちが住みやすく、居心地の良い空間にしたいと思いました。この住まいを訪れた人は、玄関に入ると、必ず、照明を見上げます。昼間、照明として使ってなくても1つのオブジェのようになっています。